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第15回文化サロン   2006年3月16日
「鞍掛山の花〜山登り・植物の魅力を語る」
   ゲストスピーカー 工藤 宏氏
                山登り愛好家
プロフィール
 1945年青森県に生まれ、盛岡で育つ。
 上田中学を経て盛岡工業高校卒業後は、東京で日立関連企業に就職、昭和47年には盛岡にUターンして日立関連企業に再就職。平成14年に退職。
 
 その間、母親の介護のかたわら、次第に山登りと花の写真撮影を趣味とするようになる。
 なかでもお気に入りは鞍掛山で、毎週、ときには週に2回もカメラを持参して登るようになり、植物の写真を撮り続け、平成17年4月に『鞍掛山の花』を熊谷印刷から自費出版する。同書
は、鞍掛山に登る人々の格好のガイドブックとして好評を博している。

 東京にいた間は、あまり山には登らなかったそうですが、もともとはアウトドア志向で子供たちを連れてよくキャンプしたそうです。

 2004年11月に鞍掛山は、宮沢賢治ゆかりの『イーハトーブ風景地』という文化財保護法の規定する「名勝」のひとつに指定された。
 狼森、七つ森、釜淵の滝、五輪峠、種山が原の6ヶ所。

どうして鞍掛山に登りはじめたのか


 平成4年に交通事故に遭い右足を負傷して5ヶ月間入院。また当時は体重が90Kgあり、糖尿病も患っていて、リハビリのために歩かなくてはと考え、アスファルトの上よりは山登りをしようと思ったそうです。
 登山するのになぜに鞍掛山を選んだのかというと里山から登るほうががいいだろうと思ったことと母親の介護のかたわらに登るので時間がかけられなかったこと。鞍掛山は往復3時間もあれば登れ、シーズンを問わず登れる山でもあるそうです。


登山仲間でもある竹田さんが講師のプロフィールを紹介。


この本には、190種ほどの花の写真が
紹介されています。
撮られた写真のなかから

 春一番に咲くキクザキイチゲから、リンドウ、フユノハナワラビまで、めぐる季節にそって 50種類ほど映写して見せてくださいました。

 下の花の写真は、『鞍掛山の花』の本の中の写真の一部です。

 花は毎年咲くものとそうでないものがあり、咲いていると期待して登っても盗掘にあってなくなっていることもあるそうです。
花の写真を撮るようになったのは
 
 平成14年に鞍掛山に登った折に今まで見たことがなかった花を見つけ、ナンバンギセルだと登山者に教えてもらい、家に帰ったらどんな名前だったかすっかり忘れてしまっていた。写真を撮ってきて図鑑で調べなくては覚えないなと思い写真を撮るようになったそうです。その頃から週に2回は登るようになったとか。
 後ほど『岩手植物の会』会長の猪苗代先生にその花はオオナンバンギセルだと教えられたそうです。
←オオナンバンギセル
 
花はいつ頃から見られるか
 
キクザキイチゲ
(菊咲一花)
キンポウゲ科

4月中旬から咲き始める。
東側西側両コースに
一番早く咲く花。
シュンラン
(春蘭)
ラン科

西側コースの草地。東側コースの斜面にひっそりと咲いている。
蘭の改良のために盗掘が多い。
オキナグサ
(翁草)
キンポウゲ科

一番好きな花だそうです。
鞍掛山では花が咲くのは2本だけだそうです。
盛岡の岩山は昔オキナグサの群生地だったとか。
ゲンノショウコ
(現の証拠)
フウロウソウ科

花の名を漢字でも表記しようと思うようになったきっかけは、この花の漢字名『現の証拠』を見てからとか
センブリ
(千振)
リンドウ科

薬草。乾燥させて煎じて飲むが千回煎じても苦い。
ウメバチソウ
(梅鉢草)
ユキノシタ科

頂上への尾根コース沿いに生えている。
この花が咲くと花の季節はもう終わりだなと寂しさを感じるそうです。

山野草ブームについて
 
 鞍掛山の花はそう珍しくないのに盗掘が多い。山の花は山で見るからかわいいし、きれいなのだと思う。2年越しの働きかけで「盗掘を止めるよう看板を建てる事」が平成17年に実ったとのこと。それでも盗掘はなくならないそうです。
 登山道にロープを張らなくてはと思うほど山野草が踏みつけられ、次第になくなってしまうことがあるので気をつけて山登りしてほしいですと話されました。

 本日の文化サロンは椅子が足りなくなるほど予想以上の大盛況でした。資料が足りない、映像が遠くて見にくい、声が聞こえないなどの不手際があったことを深くお詫びいたします。
 そろそろ山に花が咲き始めます。皆さんガイドブック片手に鞍掛山に登りましょう。  (写真・記 小泉正美)